自民党総裁選挙 総裁だけ変えても意味がない 大敗した自民党が変わる必要がある

2025.09.19

自民党総裁交代では変わらない日本政治の本質

自民党の総裁選挙が近づくたびに、メディアは「次のリーダーは誰か?」という話題で盛り上がる。
候補者の顔ぶれや政策の違いが取り沙汰され、まるで新しい総裁が誕生すれば日本の政治が大きく
変わるかのような期待感が漂う。でも、正直なところ、総裁が誰になろうと日本の政治の本質は
ほとんど変わらない。なぜなら、問題は個人ではなく、もっと根深い構造にあるからだ。
まず、自民党という政党自体が長年にわたって政権を握り続けてきたことが、日本の政治の硬直化を招いている。政権交代がほとんど起きない状況では、政治家たちは国民の声よりも党内の力学や
派閥のバランスを優先しがちだ。総裁選もその延長線上にあり、国民のための政策論争というよりは、どの派閥がどれだけの影響力を持つかを示す場になっている。
つまり、総裁が変わっても、党内の力関係が変わらない限り、実質的な変化は期待できない。
さらに、日本の政治文化そのものにも問題がある。たとえば、官僚主導の政策決定や、
既得権益に守られた業界との癒着など、構造的な課題が山積している。
これらは一人のリーダーが変わったところで簡単に解消できるものではない。
むしろ、総裁が変わることで一時的に「改革ムード」が演出されるだけで、
実際には何も変わらないというケースが多い。過去の例を見ても、総裁交代後に期待された改革が
実現せず、結局は元の木阿弥になってしまったことが何度もあった。
また、メディアや国民の側にも責任はある。新しい総裁に過剰な期待を寄せたり、
表面的なイメージや発言に一喜一憂したりすることで、本質的な議論が置き去りにされてしまう。
政治とは本来、長期的な視点で制度や社会のあり方を見直すべきものなのに、
リーダーの交代劇ばかりに注目してしまうと、肝心の中身が見えなくなってしまう。
だからこそ、私たちは「誰が総裁になるか」ではなく、「どうすれば政治の仕組みそのものを
変えられるか」にもっと目を向けるべきだ。選挙制度の見直し、政党のガバナンス改革、
情報公開の徹底など、やるべきことは山ほどある。総裁が変わること自体を否定する
つもりはないけれど、それだけで日本の政治が良くなると考えるのは、あまりにも楽観的すぎる。
本当に必要なのは、表面的な変化ではなく、根本的な構造改革なのだ。

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